Handmade artisan textiles | Ethnotek

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Ethnotek artisan regions: Ghana, Guatemala, India, Indonesia & Vietnam

何年にもわたり、私たちは5カ国に点在する11の村の職人たちと近しい協働関係を築いてきました。彼らがおしなべて私たちとのパートナーシップ、つまり伝統的なハンドメイドのテキスタイルをバックパックのような手頃で機能的な製品に結びつけることを大事にしてくれることを光栄に思います。職人たちは自分たちの工芸技術の真のマイスターであるどころか、それ以上です! 彼らは人の親であり、コミュニティのリーダーであり、また独立独歩の企業家でもあります。その多くは学識があり、家業の織物業を継ぐために村に戻ってきた人々です。彼らはビジネスとテクノロジーに通じており、施しを求めているのではありません。彼らはビジネスを求めているのです! 自らの文化と手工芸を守ろうと努力しながら作っている製品を、より広くグローバルなファンにつなげようとしているのです。

職人の引き継いできた文化と個人的表現が、文字通りそのファブリックに織り込まれます。彼らの村々への需要を推進することは、すなわちEthnotekバッグの購入の必然的結果です。彼らのハンドメイドによるファブリックを購入する事が、そこに織り込まれた手工芸の伝統文化の持続に繋がるのです。そして、製品を通じて彼らの社会に良い影響を与え、伝統文化を持続・継承することが、Ethnotekが目指していることの根幹にあります。

私たちのガーナのファブリックはReiss Boafo氏と、首都アクラにあるクラフト集団“General Artz”の職人たちとのコラボレーションによる版木捺染です。人の手ほどの大きさの版木は機械でなめらかに削られるため、表面が真っ平らになります(版木には上部が四角いままのものもあれば、中を彫り込んでハンドル付きにしたものもあります)。そして複雑にデザインされたガーナのモチーフが鑿(のみ)や鏨(たがね)、ナイフ、やすりを使って版木に彫り込まれます。

1960年代にろうけつ染めと絞り染めの技法の両方が東南アジアからガーナに導入されました。どちらも1960年代半ばから1970年代後半にかけて、よく知られるようになります。1980年代にはより安価な輸入品が入ってきたことなど、さまざまな理由からこのファブリックの人気がかなり落ち込みましたが、近年、人気の復活がみられます。

初期のアフリカの絞り染めにはたくさんの点々や斑点をデザインに取り込んでいました。アフリカ以外の地域と差別化するためにファブリックを染めるだけでなく刺繍も施しました。他にも染める前にファブリックにペイントしたりワックスを散らしたりする技法も、アフリカのろうけつ染めに特有のものです。

ろうけつ染めは農村部の貧困を少しでも緩和するための産業として、他のテキスタイル作りの技法と並んで、利用されてきました。ビジネスを立ち上げるのに必要な資金が少なくて済むため、多くの女性が家庭からビジネスを立ち上げ、地域や海外市場向けの鮮やかでカラフルなデザインを生み出しています。私たちもこうしたプロセスの一翼を担うことができて、これ以上の誇りはありません。

砂漠から山岳地帯まで、海岸から火山まで、ラクダからオオハシ(注:鮮やかな羽毛と大きなくちばしが特徴の中南米の鳥の総称)まで、私たちの織物は幅広く様々な景観が見られ、深い文化的ルーツを持ち、またそれらを生み出す職人たちと同じくらいユニークです。手織り機での織り工程の話をする時がきました!

グァテマラのQuetzaltenango(ケツァルテナンゴ)の外れにあるPaxtoca(パシュトカ)という山間の小さな町が、マヤの織物のメッカとなります。地元の人々にとっては農業が収入源ですが(ほとんどがトウモロコシとリンゴ)、織物の創作は何よりも活力のもとでありアイデンティティそのものです。地元の女性と一部の年配の男性が、ティピカ(民族服)として知られる伝統的なマヤの衣装を着続けています。

工程はまず綿糸を紡いで、 “cordeles”と呼ばれる慎重に測った束にしていくことから始まります。次いで“labores”と呼ばれる大きめの糸束にひとまとめにします。laboresは木製のフレームにかけて張られ、いくつかの独立した束に分けられ、それから職人だけが分かっている図案で、小さな結び目が作られます。この小さな結び目がモチーフを決定付け、染めの工程中に染め残るのです。

cordelesを染めた後、糸巻き車にかけて撚(よ)られ、多数のボビンを生みます。ボビンは杼(ひ)に取り付けられ、杼は機織りしながら横糸(織物の水平方向)を定めていくのに用いられます。“warp”は織り糸の長い垂直方向の縦糸として、基となるファブリックの大きさを決めます。

グァテマラで用いられる織機の種類は「踏み子式織機」と呼ばれ、大きな木製フレームの織機です。織機の前部にある巻き棒が縦糸を織機の前方へと送り出します。職人はそこに座りモチーフ、つまり横糸を作り出します。職人の真下にあるホイールが仕上がったテキスタイルをしっかりと巻き取ります。

織りの工程で最も重要な段階の一つが一連の上下の動きです。ファブリックの層を分けて、杼を通り抜けさせます。この動きがモチーフを決定付け、職人が織機の下の足踏みペダルで操作します。この工程は非常にリズミカルで、まるで職人が機を織りながら独自のドラムビートを生み出しているように見えます。

最後にモチーフと様々な色が魔法のように出現します! 私たちは工程をよく理解しているのですが、それでもいつもこのようなディテールを生む結果には恍惚とさせられます。糸と、職人の頭の中の絵から始めただけで、マヤ族の文様、動物、精霊、植物などが織り上がったテキスタイルに浮かび上がるのですから。

Travel Backpack | Raja Pack | Guatemala Fabric

さてカッチ大湿地帯へと旅しましょう! カッチ(Kutch)という語は、「海からやってきた亀」という意味のKachwaから来ています。三日月形をした広大なこの地域はインドで2番目に大きなグジャラート州に属し、西はアラビア海に隣接し、北はパキスタンと国境を接しています。考古学的記録によると、カッチには3万年前に先史時代の人間が現れていたそうです。現代のカッチは25の民族集団が100村以上に散らばって暮らしています。それら民族集団のうちの2つ、Vankars(ヴァンカール)とRabaris(ラバリ)がEthnotek物語にしっかりと縫い込まれています。

ピット(穴)式織機がカッチの職人が選んだ機織りの主な形態です。ピット式織機は地面に掘ったコンクリートの浅い穴に織り手が座るため、織り手は機と同じ高さになります。穴にはまた職人が足で縦糸を操作する踏み板を備えます。ピット式織機はフレーム織機ほどスペースを取らないため家庭内でセットすることが容易で、また作業中の砂漠の暑さをやり過ごせる方法でもあります。

カッチの穴式織機は手作業で杼を投げ入れ、手で整経(せいけい:縦糸を配列し、織機で製織できるよう準備すること)を行います。つまり基本的に機上で模様をつけていくということで、卓越したスキルと細部への注意力、そして忍耐力が要求されます。結果は幾何学模様が踊る驚くべき芸術作品となります。その本物の外観と感触はほとんど機械で再現することが不可能です。

カッチでは織物を行うのは主に男性ですが、一連の作業は一家総出で協力して行います。母親、妻、姉妹らは染色する糸を用意し、糸束からボビン(糸巻き)を作ります。次に機織り作業に向けて織機の縦糸にボビンを配置し、織りが始まります。

 

 

写真に写ったSanjay(サンジェイ)とSuresh(サレシュ)を紹介しましょう。2人は家業の織物業を引き継ぐために進んでKandherai村にとどまることを選んだ20歳の双子の兄弟です。私たちのスレッド調達の旅の途上で、伝統工芸を引き継ごうという若い世代のやる気がますます削がれつつあるのはよく見られる光景です。そのため自ら行動を起こしている彼ら2人の闘士に会うと、元気を取り戻し、奮い立たせられます! インドの職人たちは自らの文化を守ることに高い優先度を置き、その大義のための重要な表現手段としてグローバルコマースを見ています。私たちは彼らを後援し、そのミッションを支えることに誇りを持ち、また光栄に思います。

Premji氏(上の写真)は、長年にわたり私たちの最高位の職人であるShamji氏とずっと友人関係にあり、Ethnotekのためにテキスタイルを織るよう委託された最初の職人でした。Premji氏には身につけてきた織りの経験があるため、バッグ用のファブリック注文に応じるにあたり、トレーニングは全く必要がなく、最初からEthnotekインドチームの一員となってきました。Premji氏は私たちにとってとても大切な人なので、バッグの品詞表示タグにも彼を大きく扱っているのです。

Travel Backpack | Raja Pack | India Fabric

Indonesian flag | Ethnotek 

Ethnotekのインドネシア6というバッグの顔となるハンドメイドのファブリックは、インドネシアのかつての王都Surakarta(スラカルタ、別名ソロ)の職人の手によるものです。綿地にろうけつ染めされたこの涼しげな色あいの芸術作品は、バティックのファブリックデザインと、典型的な東アジアの建築様式の両方で伝統的に用いられてきた工芸技術を現代風に解釈したものです。

Design motifs from Indonesia | Ethnotek | Travel Backpacks

アシやヤシの葉や野草を織り上げたものは、ペルーからフィリピンまでのほとんどの文化にとってなくてはならない用途の広い必需品であり続けています。インドネシア6のファブリックのデザインは、屋根や壁などのインドネシア建築で広く用いられるこの典型的な織りの様式から来ていますが、Surakartaでは主にTikar Pandanと呼ばれるフロアマットに用いられているものです。Warungs(道端の小規模カフェ)で毎晩、こうしたマットが広げられ、人々が集っては簡単な夜食を食べたりお茶を飲んだりします。どんなふうにSurakartaスタイルのバティックを作るのかちょっと見てみましょう!

Handmade batik process | Block printing

ステップ1: 鉛筆と羊皮紙を使った線画を描くことから始めます。羊皮紙は半透明なところが重要で、線画職人は先代のデザインをトレースすることができます。その線画をもとに銅職人がスタンプの型を作ります。   

ステップ2: 銅片を使って、魔法のように曲げながら、線画職人の描いた線画どおりの形にしていきます。この作業には何ともうっとりさせられます! プライアー、ハンマー、はさみ、ピック、やすりなどを巧みに使って銅は余分なものがはぎ取られていきます。まさに職人技です!  

ステップ3: 銅職人の作った道具が自分の線画どおりになっているかどうか、線画職人が品質管理チェックを行います。  

ステップ4: OKが出た型、あるいは調整された型は、次にワックス職人の棚へと運ばれます。

Indonesia Batik Process | Handmade | Ethnotek

ステップ5: 後は落としていくのみ…バティックのワックスの正確なレシピを心得ている“バティックシェフ”がワックスを溶かし、型押し職人が綿布にワックスを塗布できるようにします。 

ステップ6: 次に型押し職人が、線画職人と銅細工師の作った型を使って、シェフのさじ加減したワックスにそれを浸し、慎重の上にも慎重に、まっさらな綿布にそれを押し当てていきます。ワックスが付けられ、綿の繊維の中に染み込んでしまうと、次のステップの準備が整います。

ステップ7:綿布はそこから染料に浸されます。

ステップ8: 後は一番簡単、干すだけです!

From the artisans hands in Indonesia

ステップ9: こちらではEthnotekのお客様のオーダーを集計し、職人にまとめて大量発注します。

ステップ10: ファブリックがベトナムにあるETK工場に到着すると、慈愛を込め、注意を払って縫い合わせ、Ethnotek バッグに仕上げます。 

ステップ11: 出来たての新作アイテムが発送準備となりお手元へ! 

ステップ12: さあ一連のサイクルが完結しました! これらのファブリック製品を使ったバッグを購入すると、こうしたものを仕事として作り続けられるよう職人たちを支援することになり、ひいては、文字通り一枚一枚に織り込まれ、型押しされた文化自体を守っていく一助となります。あなたは誇りを持ってバッグを身につけることができます。その背景事情と、それを手作りした愛すべき人々のことを知っているのですから。

Indonesia 6 Premji Travel Backpack 

Vietnam Flag | Ethnotek 

私たちは常に広々とした景観、未舗装の道、ありのままの文化、伝統技法、手作りの工程、鮮やかな色彩を大切に思い、つながりを持ってきました。そうした代表例であり、私たちのお気に入りの場所でもある一対の場所がベトナムの北部高地に位置するSapa(サパ)とLai Chau(ライチャウ)です。 

Mountains | Sapa | Vietnam

東のDien Bien(ディエンビエン)省から北の Cao Bang(カオバン)省まではるかに伸び、棚田を一望できるベトナムの北西部のHoàng Liên Son (ホアンリエンソン)山脈。その山間部に抱かれるように、モン族のコミュニティがあります。

Ethnotek Bags | Hmong Embroidery | Vietnam

モン族は、もともと18世紀に中国から政治不安のためや、より耕作に適した土地を求めて北部ベトナム、ラオス、タイに南下してきた民族集団で、ベトナムに54ある民族のうちで最大規模を誇ります。また黒モン、赤モン、緑モン、白モン、花モンなど無数の小集団に分かれ、それぞれに独自の方言、信仰、文化的慣習、衣装およびハンドメイドのテキスタイルがあります。

Hmong embroidery | Hand Dying | Ethnotek

何百年もの間、モン族の女性は家族のために手製の衣類を作り続けてきました。たいてい6、7歳になるまでに習います。モン族の女性はこれからも一生、布を織り、刺繍をし続けるでしょうし、女性の美と知性はそのテキスタイル作成技術によって判断されるのです。

Artisan Made | Fair Trade | Direct Trade | Ethnotek

ここでは米の収穫は年1回きりなので、Sapaとその周辺の村々の女性は、手芸にどっぷり浸りながら毎日を過ごします。刺繍しながら茶飲み話をしたり、市場で麻の繊維を割いたり、友人と一緒に座ってより糸を準備したりします。モン族の女性のアイデンティティを貫いている一本の繊維の糸があるとすれば、それは文字通り彼女のテキスタイル技能に他なりません。

Handmade textiles | Weaving | Embdoidery

モン族は同じ部族の人間が自分たちを身につけている生地と刺繍のスタイルに基づいて見分けがつくと信じています。彼らの手芸への強い愛着は、精神的信仰にまで及びます。人が亡くなると、その子どもたちが部族のファブリックでできた服を着せますが、それは先祖が来世でその人だと見分けられるようにとのことなのです。

Vietnam | Embroider for Ethnotek Travel Backpacks

表現という観点では、刺繍はこの地域で最も高度な創造形式の一つとして尊敬されています。世界中で刺繍に用いられるステッチは数限りなくありますが、すべては3種類の基本形のバリエーションです。つまりサテンステッチ、ノットステッチ、ループステッチです。サテンステッチのいくつかは、ランニングステッチやクロスステッチなど、ファブリック表面に平行に糸を渡すステッチです。ノットステッチは表面にこぶや玉のような結び目模様をつけます。ループステッチの典型例はチェーンステッチで、最初のステッチが次のステッチによってくくりつけられます。

Natural Dye | Ethnotek Bags

Hmong Embroidery | Ethnotek

刺繍糸の明るい色が混じり合って、pajntaubと呼ばれる「ストーリークロス」に複雑な一連の象徴が生み出します。多くは神話や自然に基づいた幅広いテーマが扱われます。最もありふれたモチーフは日常生活で見つかるものが多く、カタツムリ、山、ニワトリの足、雄羊の角、キュウリの種、葉っぱ、星、雨、太陽などを図案化したものです。これらが手作業で複雑に入り組むように縫い込まれ、作り手の個人的ストーリーを語るのです。

Handmade textiles from generation to generation | Vietnam

Hmong Tribes Vietnam | Ethnotek

ですから皆さんがベトナム5や6のバッグを受けとったら、Sapa & Lai Chauというおとぎ話の世界に思いを巡らせてください。ファブリックのすみずみまで、すべてそこに暮らす人の手によって育くまれ、織り物となり、染められたり、縫い付けられたり、ろうけつ染めされたり、刺繍をほどこされたりしているのです。

Vietnam | Mountains